箱根駅伝はやはり2強の優勝争いか。駒澤大と青学大が全日本駅伝で見せた層の厚さ (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by SportsPressJP/AFLO

 大エースの存在には欠けるが、それに準ずる複数の選手が着実に力を出してきている状態。「うちのチームは今、5000m13分台が26人出てきているし、登録メンバーのどの選手を走らせてもいいくらいの力が揃っている。今回は2区の大ブレーキを巻き返したが、そのくらいの地力がある選手が2人、3人、4人と控えているので、2区間増える箱根でも十分戦えると再認識しました」という原監督。箱根でも隙のない戦略が立てられそうな状況で、ミスなく走れば駒澤大も崩せそうな戦力を持っていることを証明した。

 この2校に続きそうなのは、6区まで優勝争いに加わっていた順天堂大と明治大だろう。順大は1区が10位と出遅れたものの2区で東京五輪3000m障害7位の三浦が、スローペースになった大集団に追いついた。そこでも冷静な走りを見せ、ラスト2km付近から抜け出して1位に上げた。その後は3位、4位と順位を落としたが、「出雲がダメだったので、自信を取り戻すためにとつなぎの区間を走らせてもらいました」と言う、野村優作(3年)が5区で区間2位の走りをして青学大と同タイムの2位に上げた。そこから牧瀬圭斗(4年)が先頭争いに加わり2位。7区では5位に落ちたものの、8区では四釜峡佑(3年)が区間2位の走りをして3位でゴール。

 長門俊介監督は「途中で優勝を意識できるタイミングもあったので少し悔しい」と話したが、三浦と野村を中心にしてうまく流れに乗れば、箱根でも十分に戦える力を見せた。

 明治大は10月の箱根駅伝予選会を1位通過のあと、主力の櫛田佳希(3年)がケガで使えなくなり、エースの鈴木聖人(4年)も足の痛みが出てギリギリまで起用を迷い、つなぎの6区に使う厳しい状況だった。

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