男子短距離界の実力者・小池祐貴。東京五輪100mで日本人初の表彰台は「確実にかなえたい。夢じゃなく目標」 (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 4継の面白さについて、小池はこう語る。

「100m、200mとはまったく異なる別の競技です。純粋に競技力の合計値というより、バトンなど、リレーに特化した技術が必要になってきます。あとはどれだけうしろの選手を信じて走れるか......ですね。個人の能力はもちろん大事ですが、信頼という部分が大事なので、仲のよさも結果に影響してくると思います」

 ちなみに小池は、3走が好きだという。3走はコーナーワークがキーになるので、必ずしもタイムのいい選手が勝てるというわけではない。小池曰く「コーナーに入るまでの準備やスキルが重要になる」という。そこに面白さを感じている。

 では100mと200mの魅力は、どういうところにあるのだろうか。

「100mはシンプルに力があって、それを発揮できる人が勝つ競技です。ただ横一線でスタートするのは、かなりプレッシャーになります。強い選手が隣で走る時はとくにです。でも、そこで自分の力を100%出せる選手が勝つし、本当に尊敬できます。

 200mは100mと違って事前に戦略的なものを準備し、それに沿ってトレーニングを積み重ねていきます。200mを速く走るためにどうしたらいいのかというのを確立した人がいい記録を出せると思っています」

 まだ正式決定ではないが、日本陸上連盟は4継で悲願の金メダル獲得のためにリレー走者は、個人種目については100mか200mのどちらかに絞り、よりリレーに集中してもらいたい案を審議しているという。

 男子100mは7月31日に予選、1日に決勝、200mは3日に予選、4日に決勝がある。そして4継が5日に予選、6日に決勝と過密日程でのレースになるため、選手の疲労やコンディションを考えるとそうした判断も必要になってくるかもしれない。

 ただその舞台に立つためには、先述したように日本選手権の100mか200mで3位以内に入らなければならない。小池にとっては決して高いハードルではないが、ライバルにはタフなメンバーが揃っている。

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