無名と有名。ニューイヤー駅伝に挑む2人の鈴木がSGHを選んだ理由 (4ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sato Shun

 今年7月、今シーズン最初のレースとなったホクレンディスタンス士別大会の5000mで13分48分46、千歳大会の1万mでは28分13秒12と、ともに自己ベストを更新した。青学大時代から攻めるレースが持ち味だったが、実業団でもそのスタイルは変わらない。

「もともと僕は積極的に引っ張って走るタイプで、実業団になってもそこは変えたくない。その精度を高めていけば、タイムは伸びていくし、強くなれると信じているので、これからもスタイルを曲げることはないですね」

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 この夏、タイムが伸びるなか、新たな気づきを与えてくれたのが大迫傑だった。

「夏合宿中、大迫さんと練習する機会があったんです。スピード練習で大迫さんの走りを見て『これはスピードでは勝てない』と思いました。その時感じたのは、圧倒的なスタミナがあるからスピードを持続できるわけで、スピードを付けながらスタミナもつけることの難しさというか、そのバランスにあらためて気づかされました。競技を続けていくうえで、その両立こそ永遠に追い求めていくものかなと」

 その成果を見せるのが、ニューイヤー駅伝だが、鈴木塁人にとってどういう位置づけなのだろうか。

「ニューイヤーに勝つことが一番大きな目標ですし、求められているものですから全力で頑張るだけです。挑戦していくチームなので、本当に楽しみしかないです」

 今回も旭化成、トヨタ、Honda、富士通ら、強豪が揃っている。どういうレース展開に持ち込まなければいけないと考えているのだろうか。

「富士通、旭化成とか、強いチームより前に出てレースをしたいですね。GMOは(吉田)祐也が頑張っているので、僕も刺激を受けています。チームとしても選手層が厚いので手強いです」

 ニューイヤー駅伝が終われば、通常はハーフやマラソンなど、ロードシーズンになるが、コロナ禍の影響で多くのレースが中止、延期になっている。ただ、2021年からは東京五輪を皮切りに世界選手権など、世界大会が続く。鈴木塁人は何の種目を主戦場にしていくのか。

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