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3度の箱根駅伝→実業団退社も再出発。
松村陣之助が語る「働きながら走る」意義 (4ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sankei Visual

 注目といえば昨年のMGCは大きな盛り上がりを見せた。選手はもちろん、一般ファンも注視するレースになった。松村も見ていたそうだが、どう感じたのだろうか。

「MGCはスター選手が出るという感じのレースでしたし、すごく盛り上がりましたよね。あの舞台に立つことはすごく名誉なことですし、単純に僕もその舞台に立ちたいと思いました。マラソンだけでなく、トラックでもMGCのようなレースがあるともっと盛り上がると思います」

 11月3日、東日本実業団の予選会が開催される予定だ。チームはこの大会で12位以内に入って、ニューイヤー駅伝への出場権を獲得しなければならない。昨年はプレス工業、八千代工業と壮絶な争いを演じ、最終的に12位に入り、見事、出場権を得た。

 今年は、エース格の東瑞基が抜けて、会沢監督も「ギリギリの状態」と語るように、予断を許さない状況だ。

 一方、ほかのチームは力をつけており、また昨年不覚をとった強豪の富士通や、コモディイイダに5秒差で涙を流した八千代工業は出場権獲得に意欲を燃やしている。

「チーム全体がもう一段上げていかないと出場は厳しいと思いますが、しっかりと準備をして、勢いをつける走りをしたいですね」

 コモディイイダでの2年間で、松村は成長するきっかけを掴んだ。中堅となる年齢になり、チーム内での自分の置かれているポジションも理解している。責任感と期待感を背負った松村がこれからのレースでどんな走りを見せてくれるのか。いずれにしてもその先に進むためには結果が求められることになる。

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