箱根駅伝でダークホースとなるか。古豪・順大復活の可能性は十分にある (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

 日本人集団から飛び出していた菊地駿弥(城西大4年)を追い、ラスト勝負で三浦が菊地をかわして抜け出すと、全体5位、日本人1位の1時間01分41秒でゴールした。その10秒後には野村もゴールして、順大の強さを見せつけた。

 その後も、39位までに10人がゴール。合計タイムは10時間23分34秒というハイレベル。それだけではなく、12番目の選手も75位の1時間03分06秒と12人全員がいい走りだった。

 長門監督は、選手たちが見せたこの力強い走りを満足そうに振り返った。

「すべての学生がしっかり結果を出した、その底力に驚いています。フラットなコースで条件はよかったのですが、上のグループの中の何人かが(1時間)2分台を出してくれるかなと考えていました。しかし、1分台がふたりで11番目まで2分台、という結果は想像していませんでした」

 三浦の好走についても高く評価する。

「ハーフは未知数だったのですが、夏合宿の走り込みを見ていても確実に走れるだろうという実感はありました。塩尻和也(19年2区区間2位)の1年の時よりもいい練習ができていたので、1時間02分30秒は切れるかなと思っていましたが、ここまでタイムを伸ばしたことに、潜在能力の高さを感じました」

 三浦は、「自粛期間中に自宅の近くで距離を踏む練習を続けて、足の基礎つくりをできたことが今に生きている」と話す。メインに置く3000m障害では、7月のホクレン・ディスタンスの千歳大会で日本歴代2位(8分19秒37)をマーク。指定期間外()だったために東京五輪参加標準記録(8分22秒00)突破の認定はされていないが、五輪が一気に近づいてきたことは間違いない。その自信が、前向きな欲を持って現れているようだ。
※東京五輪出場権の選考期間が11月末まで凍結中のため

「箱根は今のところ6区を希望していますが、1区や2区などの前半の区間を目指してもいいのかなと思いました」(三浦)

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