サニブラウンが2回目の「ボルト超え」。その走りに世界が驚いた (3ページ目)

  • 酒井政人●取材・文 text by Sakai Masato
  • photo by Toshihiro Kitagawa/AFLO

 日本人選手が世界選手権の男子200m決勝に進出するのは、2003年パリ大会で銅メダルを獲得した末績慎吾以来14年ぶりの快挙。しかし、それ以上に世界を驚かせたものがあった。それは、"またしても"ウサイン・ボルト(ジャマイカ)を超えたことだ。

 サニブラウンは2015年の世界ユース選手権で、ボルトが持っていた男子200mの大会記録(20秒40)を上回る20秒34を出すなど、100mと200mで「スプリント2冠」を達成。そしてロンドン世界選手権では18歳156日でファイナル進出を決め、ボルトの18歳355日を抜き、男子200mの最年少決勝進出記録を塗り替えた。

 決勝は20秒63で7位に終わったが、当時のボルトも決勝で最下位(8位)と世界の厳しさを味わっている。それでもサニブラウンは、「緊張は全然していなかったです。むしろ、世界のファイナルだったのでとことん楽しんでやろうと思ってやっていました。ただ、勝負できないとおもしろくない。悔しいですね」と満足していなかった。

 ボルトの"ラストラン"になった世界選手権で、ボルトを超えたサニブラウン。ミックスゾーンで他国のメディアから「彼はどんなことを話していたのか」と聞かれるくらい、サニブラウンは世界中の注目を集めていた。"日本のエース"ではなく、"世界のスーパースター"になるのかもしれない。筆者はそう強く感じたことを覚えている。

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