大迫傑の日本新記録樹立が示す「日本男子マラソン界の進化」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 岸本勉●写真 photo by Kishimoto Tsutomu

 3月1日の東京マラソンは、東京五輪男子マラソン出場の最後の1枠を狙うマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジの第2戦として行なわれた。昨年9月のMGCは3位と、悔しい結果となった大迫傑(すぐる/ナイキ)は今大会、攻めの走りで自身が持つ日本記録を21秒更新。2時間05分29秒の日本人トップで4位となり、東京五輪内定に大きく前進した。

ゴールの瞬間、喜びの感情が溢れた大迫傑ゴールの瞬間、喜びの感情が溢れた大迫傑 スタート時の気温は11.5℃、湿度は46.4%。レースが進むにつれて15℃を超えたが、北西からの風が暑さを緩和してくれる絶好の条件だった。

 ペースメーカーの設定は第1グループが2時間3分前後を目標とする1km2分55~56秒で、第2グループは2時間5分台前半を狙える1km2分58秒の2段階に設定された。

 2時間4分台を狙うと宣言していた井上大仁(MHPS)と大迫は、スタートから先頭グループについた。しかし、もう一人の注目選手である設楽悠太(ホンダ)は、ほかの日本勢と同じく第2集団につく予想外の展開。

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