2019.12.31

箱根連覇への舞台は整った。
東海大3年生の黄金トリオがいよいよ出陣

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sato Shun

東海大・駅伝戦記 第74回

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「箱根を3人一緒に走れるのは、すごくうれしいです」

 東海大・西田壮志(3年)は笑みを浮かべてそう言った。

 西田の言う3人とは、3年生の「黄金トリオ」と言われる西田、塩澤稀夕(きせき)、名取燎太のことである。

東海大期待の(写真左から)名取燎太、西田壮志、塩澤稀夕の3年生トリオ 今シーズン、「黄金世代」と呼ばれる4年生の主力の調子が上がらないなか、チームを引っ張ったのがこの3人だった。

 塩澤は出雲駅伝に出走し、3区で区間新を出すなど1年時以来の3大駅伝で好走した。

 続く全日本大学駅伝では、初めて3人が揃って出場。塩澤が3区で区間新、西田は4区で区間賞を獲得。そしてアンカーを務めた名取は、青学大を逆転して16年ぶりの優勝に貢献した。黄金世代の主力がひとりも出場していないなか、この3人が中心となって勝ったのである。塩澤は言う。

「黄金世代の4年生が抜けたあと、東海大は戦力が落ちると言われていて、自分たちも危機感を抱いていました。この1年は先輩たちに食い込んでいかないといけないと思っていましたし、自分らを含めた下級生たちがいかに活躍できるかというのを考えて取り組んできました。そんななか、自分と名取、西田が全日本の優勝に貢献できたのはすごく自信になりました」

 この全日本の勝利で3年生の”黄金トリオ”が得たものは非常に大きかった。

 塩澤は出雲、全日本を走り、「2回、東洋大の相澤(晃)さんと走って、張り合うまではいかないけど、自分なりにしっかり走ることができた。これからはエースと呼ばれる走りをしていきたい」と、さらなる飛躍を誓った。

 西田は全日本4区で区間賞を獲り、「平地でも戦えることが証明できたし、走力が上がったことで山に生かせる」と、自身の成長に大きな自信を持った。

 名取は全日本でアンカーとして競り勝ち、57分台という両角速監督ですら予想しなかったタイムで優勝の立役者となった。

 箱根前の合宿でも、3人は好調を維持しており、「3年生の勢いがすごい。4年生はうかうかしてられない」と館澤亨次キャプテンが語るほどだ。両角監督も3年生の成長を認める。

「3年生は4年生という大きな存在があったからこそ、ここまでこられた。ただ、その裏には地道な努力が相当あったと思います」