2019.12.31

箱根駅伝の区間エントリーからレース展開と各大学の思惑を予想した

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 12月29日に発表された、第96回箱根駅伝区間エントリーを受けて、狙いと走りを予想していく。

 主力を控えメンバーに入れることなく、正面から往路勝負を挑んできたのは東洋大だ。学生最強と称され注目されている相澤晃(4年)は、前回驚異的な区間新記録で走った4区ではなく、2区にエントリーしてきた。さらに1区は2年連続区間賞を獲得している西山和弥(3年)と順当な布陣にしてきた。

2年連続で1区を1位で走っている西山和弥(写真左) これは酒井俊幸監督が話していたように、往路を縦長の展開にしたいという意図を実現しようというものだ。秋シーズンは、故障があった影響でまだ本調子にはなっておらず、出雲駅伝は1区区間10位で、全日本大学駅伝は5区で区間11位と不本意な走りをしていた西山だったが、現在は復調してきて、区間1位で走ってこられるという確信を持てたうえでの配置となったのだろう。さらに相澤が、目標にしている1時間06分30秒前後の日本人最高タイムで走るという自信もあるはず。ただ、東洋大が避けたいのは、相澤が他のライバル校を引っ張ってしまう状況になることだ。

 西山が2018年と同じように2位に14~15秒差をつけてくれば、相澤は最初から突っ込んで突き放す走りができる。さらに2位以下が集団になってけん制し合う展開になれば、大きなアドバンテージを得ることができるという発想だろう。

 そこで得た差を、前回も3区を走って区間4位の吉川洋次(3年)と、長い間故障で苦しみながらも今季は全日本大学駅伝で1区を区間6位と復調してきている渡邊奏太(4年)で4区をつなぎ、うまく活かしていきたい。そして、5区には2年連続で走っている田中龍誠(34年)ではなく、未経験の宮下隼人(2年)を起用した。これは、1時間11分台で走って欲しいという監督の思いから勝負をかけていると思われる。そこまでうまくつなぐことができれば、復路の6区今西駿介(4年)で先頭に立つ構想のはずだ。

 7区以降のエントリーは、9区の定方駿(4年)以外は1年生をエントリーしているが、出雲と全日本を走り、前回10区を走っている大沢駿(3年)と、関東インカレのハーフマラソンで4位になっている蝦夷森章太(2年)を控えに回しており、往路の状況を見て優勝を狙うか、3位以内を確実に確保するかの目標を決めて、当日変更で2人をいずれかの区間で入れてくるとみられる。