東海大が出雲駅伝に向けムードは最高。誰がどの区間を走るか予想した (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Kai Keijiro

 高速駅伝の出雲では、1区で出遅れてしまうとレースが終わってしまうだけに、今回も過去のレース同様に好調で信頼できる選手を配置するはずだ。もちろん、出雲駅伝1区経験者の阪口や西川、または1区に慣れている鬼塚という選択肢もあるが、今年の1区は塩澤でいくような気がしている。

 2区は、本来であればキャプテンの館澤亨次(4年)の担当区間であるのだが、故障により今回はエントリーから漏れた。2区は5.8キロと最も短い区間なのでスピードが求められるが、ちょっと読みづらい。小松もあり得るが、「新しい選手が主力の抜けたポジションを埋めていくのがベスト」という両角監督の考えからすると、市村の可能性もある。

 市村は夏合宿で評価を上げたひとりだ。白樺湖合宿では、ファルトレイクトレーニング()で遅れることなく、先輩についていった。9月の東海大記録会5000mでは135530と、初めて13分台を出した。

※速いペースとゆっくりのペースを繰り返しながら走り続けるトレーニングのこと

 出雲駅伝の10日前の練習でも淡々とメニューをこなし、「非常に調子がいい」と両角監督と西出仁明コーチも太鼓判を押していた。仮に、2区でなかったとしても、市村が駅伝デビューする可能性は非常に高い。

 3区のエース区間は阪口だろう。トラックシーズンでは4年生で唯一、好調を維持し、故障もなかった。"駅伝男"の館澤がいないなか、最も信頼できる選手である。東洋大の相澤晃(4年)、青学大の吉田圭太(3年)、国学院大の浦野雄平(4年)といった各大学のエースが3区に入った場合、彼らと互角のレースができるのは阪口しかいない。

 そして4区は鬼塚か關のどちらかではないだろうか。2年前、鬼塚は1区という大方の予想を裏切り4区に入って青学大の原晋監督に「4区、鬼塚かぁ」と悔しがらせた。実際、区間トップの快走を見せて、8年ぶりの優勝の立役者となった。

 今シーズン、鬼塚も關もいまひとつ調子が上がらずに苦しんでいるが、駅伝では大きく外したことがない。鬼塚か、それとも關か。それともどちらかが4区で、もうひとりが他区間を走るのだろうか。いずれにしても、4区を誰が走るのかは注目だ。

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