五輪メダル有望の男子リレー。
カギはサニブラウンをどこで起用するか
世界選手権ドーハ大会の代表が決まり、すでに発表されている男女マラソンと競歩を合わせた15名に続いて、今回の日本陸上競技選手権後に追加で選ばれた選手は男子6名、女子4名と少なかった。これは「優勝者で、なおかつ参加標準記録を突破している者のみ」という厳しい選考条件だったためだ。とくに男子短距離では、今回の日本選手権で2冠を達成した、サニブラウン・ハキーム(フロリダ大)が唯一の選出となった。
リレーでも活躍に期待がかかるサニブラウン・ハキーム また、男子4×100mリレーと男女4×400mリレーの代表候補選手も発表された。リレーで一番メダルに近い、男子4×100mリレーの候補は、サニブラウンのほか、桐生祥秀(日本生命)と、小池祐貴(住友電工)、飯塚翔太(ミズノ)、多田修平(住友電工)、坂井隆一郎(関西大)、川上拓也(大阪ガス)、ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)。日本選手権の100mの2位から8位までの選手が順に入った。
このほか、日本選手権200m4位の白石黄良々(きらら/セレスポ)と7位の橋元晃志(富士通)が候補入り。気胸のため日本選手権を欠場した山縣亮太(セイコー)も、これまでの実績や世界リレー、ゴールデングランプリ大阪での貢献度を加味されて選出された。
日本選手権100m2位と3位の桐生と小池も、すでに参加標準記録(10秒10)を突破しており、リレーでも個人種目でも代表選出は確実だろう。このほか、山縣は気胸の治療が最優先になるものの、1走としての走りは世界トップレベルで、2走の起用もできるだけに欠かせない存在になる。
飯塚は、100mのレース後、「4位になったのは大きい」と、4×100mリレーのメンバー入りに強い意欲を持っていた。200m予選を軽い肉離れで途中棄権はしたが、9月の世界選手権に向けて問題はなさそうだ。2016年リオ五輪で2走を務めた飯塚は、チームをまとめる上で必要な戦力であり。4×400mリレーの候補にも入っている。
さらに、世界リレーとゴールデングランプリ大阪で1走の役割をきっちりと果たした多田も、100mのシーズンベストを10秒12に伸ばしているだけに、代表入りの可能性を残している。
1 / 2