2019.07.03

異色の経歴の持ち主も。
日本陸上界でいま注目すべき3人の女子選手

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Nakamura Hiroyuki

日本選手権では、サニブラウンとともに最優秀選手に選ばれた北口榛花 サニブラウン・ハキーム(フロリダ大)や桐生祥秀(日本生命)らの活躍で男子短距離界への注目度が高まっているが、一方、日本選手権で好結果を残した注目の女子選手もいる。

 その筆頭は、大会2日目に世界選手権の出場権を掴んだやり投げの北口榛花(はるか/日大4年)だ。小中学生のころはバドミントンと水泳に打ち込み、小学6年の時にはバドミントンの全国大会で団体優勝を果たした異色の経歴を持つ。

 北口は高校から陸上やり投げに転向し、3年で60m台を投げると、翌年には61m38の日本U20記録を樹立している。それ以降、記録が伸びずに足踏みが続いたが、今年に入ってチェコへ単身武者修行に行き、急成長を遂げた。5月6日の木南記念では、64m36の日本記録を出し、世界選手権参加標準記録(61m50)だけではなく、来年の東京五輪の参加標準記録(64m00)も突破した。

 その後、「日本記録を出したあとは、思った以上に疲労が残った」と本人が話すように、ゴールデングランプリ大阪では60m00といまひとつの記録。それでも、日本選手権では1投目から62m68を出して好調な滑り出しとなった。

「1本目はいい感じだったのですが、そのあとの2回は記録を狙って力んでしまいました。左側に飛んでいたので、4投目からは真ん中より右側に投げることを意識しました」

 こう話す北口は、4回目には63m68まで距離を伸ばしたが、実は、これまで使っていたメーカーとは違うやりを使っていたと言う。

「ちょっと硬めのやりで、高校の時と大学に入ってからも試したことがあるんですが、感じがよくなかったので使っていなかったんです。(今回は)後輩が頼んでいたのが届いたので、ちょっと遊びでやってみたらよかった」

 北口は今後、自己ベストを超えれば東京五輪でのメダルも見えてくるが、まずは目の前にある世界選手権での目標をこう口にする。

「日本選手権の1投目で62mを投げられたのは価値があると思うので、世界選手権では、まず予選を通過して決勝に進むことを目標に、決勝では8位以内に残りたい」

 注目選手の2人目は、100mハードルの木村文子(あやこ/エディオン)だ。木村は、今回の日本選手権では世界選手権参加標準記録の12秒98を突破しなかったものの、4月のアジア選手権優勝ですでに出場の権利を得ていた。そのアジア選手権でキレのいい走りを見せたあと、手ごたえをつかんだ木村はこう話していた。