出雲駅伝「完敗」の東海大は巻き返せるか。初駅伝組が次につながる好走 (2ページ目)
だが、東海大の1区の西川は初駅伝で、3区の中島は初の平地での駅伝になり、しかもエース区間だ。出雲は全体の距離が45.1キロと短いため、前半の遅れが致命的になる。ふたりとも自信はあっただろうが、実戦でどれだけやれるのか、実際に蓋を開けてみないとわからない不安もあった。
本来であれば、ここは主力選手が入ってくる区間だが、鬼塚がメンバーから外れ、關は4区に置かれ、主要区間に配置できなかった。両角監督は、鬼塚と關のふたりについてこう語る。
「昨年から比較してふたりの成長は横ばい状態。一方、西川ら3人は右肩上がりで成長している。チームは立ち止まるのではなく、前に進むもの。そういう意味で鬼塚が外れたし、關はまだ70~80%の出来なので長い区間は難しいという判断です」
主力選手を故障で欠き、あるいは伸び悩み、それゆえ今シーズン台頭してきた新戦力の活躍に頼らざるをえない。両角監督曰く「苦しい布陣」での戦いになったのである。
レースはスローペースで始まった。1区の西川は、スタートから先頭に立ち、集団を引っ張っているように見えた。しかし、西川は、そうは感じていなかったという。
「もうちょっと青山や東洋の様子を見ながら走りたかったんですが、前に押し出された感じで、先頭を引っ張っているというイメージはなかったです」
西川は2日前に1区を言い渡されたが、とくに緊張もなく、レース当日を迎えられた。だが、スタート直前になるとこれまで経験したことがないようなプレッシャーを感じた。
「それも含めて経験不足でした」
西川はポジション争いで主導権を握れず、徐々に消耗していった。ラスト700mになって、青学大の橋詰大彗(4年)がスパートをかけたが、ついていくことができなかった。同期の東洋大の相澤晃(3年)にも置いていかれた。
「自分の5000mのベストがふたりと20秒違うんです。タイム以上、力以上の走りをしたかったんですけど、トラックの記録の差がそのまま出てしまった。チームに勢いをつける走りができなかったのが悔しいです」
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