女子短距離界に新星現わる。期待の高校生「変化」に気づき、急成長
将来性を感じさせる走りを見せた高校生スプリンターの御家瀬緑 御家瀬(みかせ)緑(恵庭北高2年)は今年、出場など想像すらしていなかった8月のアジア大会4×100m代表に選考された。
初出場した6月の日本選手権100mで、世古和(せこ のどか/CRANE)や福島千里(セイコー)、市川華菜(ミズノ)に次いで、11秒74で4位に入った御家瀬。このときの成績でアジア大会代表に選ばれたが、将来性を考慮されてという意味合いの方が大きい選考となった。
早速、7月5日にはナショナルチームに招集されて、雨が降る6日の大阪選手権ではアンカーとしてリレーを2本走り、翌日は札幌に移動。8日の日中韓3カ国交流陸上競技大会の4×100mリレーに出場した。
結果は大阪選手権で出たベストタイムの44秒77を0秒02上回るも、代表チームが目標にする44秒00突破には遠いものだった。
初めてナショナルチームに帯同した4日間。まだ若いとはいえ、その疲労は走りにも表れていた。自身でこう振り返る。
「大阪は雨だったけど、晴れて条件がよくなったここ(札幌)でもタイムが悪かったのは、少し疲れが出たからだと思います」
一方、ナショナルチームでは多くの刺激を受けている。
「最初は私に(日本代表が)務まるのかなという不安もあったし、今まで経験したことのないことばかりで、けっこう戸惑いもありましたが、これもいい経験になるかなと思っています。3レースとも福島さんからバトンを受けて、早出だけはしないように気をつけていましたが、絶対にバトンを渡してくれるという安心感はすごくありました。コーチからは、世界大会に出るにあたっての気持ちのつくり方や技術的なことも教えてもらいました」
その中でも一番驚いたのは、バトンパスなどの細かい分析だったという。バトンゾーンの通過タイムなどを教えられ、「こんなことができるんだ」と、今までにない経験をした。過去最速チームのデータとも比較されたことで、自分は走力も含めて、まだまだ力がないということもはっきり確認できたと話す。
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