2017.11.02

強力2トップの東海大。全日本大学駅伝に向け
「長距離化」は進んだか

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun photo by Kyodo News


 昨年はこの段階での練習で力を出し切ってしまい、その後、体調を崩す選手が出たことで全日本は苦戦を強いられ、シード落ちという屈辱を味わった。そのために今回のポイント練習は調整として出力を抑え、西出コーチ曰く「気持ちよく終わらせる」ようにしている。昨年の痛い経験から得たひとつの教訓だ。

 阪口をのぞく全員が集団から離れることなく走り終えた。全体的に選手の仕上がり具合がすごくいいのが見て取れる。

「出雲が終わって出走した選手は、次の1週間は軽いジョグで終わらせたので疲労感はないと思います。次の2週間は普段通りのトレーニングで、1週間前の土曜日からポイント練習をスタートしました。今のところ大きな故障者が出ることもなく、いい感じで来ています。今日は阪口が遅れたけど、それほど心配はしていません。あとは直前合宿でどうなるか、ですね」(西出コーチ)

 走り終えた選手はゼリー飲料を飲み、着替えるために移動する。汗で濡れたシャツを脱ぎ、クールダウンするためのウエアに着替える。

「鬼塚くん、いいですねー」と振ると、西出コーチが表情を崩した。

「鬼塚は、こう(よく)なるだろうなって思っていました。大分のレース前は館澤(亨次/2年)とふたりで結構いい練習ができていたけど、ちょっとやり過ぎだったんです。それで大分はタイム的には今ひとつだったんですけど、出雲が終わってしっかり練習ができていたので今、上がってきているな、動けているなって感じですね」

 確かに10月21日の大分でのレース(5000m)は、鬼塚、館澤ともに平凡なタイムに終わった。らしくないと言えばそうだが、あれから1週間が経過し、調子が上がっているのだろう。鬼塚自身も「いい感じで来ています」と表情が明るい。

 ナイキのシューズとの相性もいいようだ。カーボンプレートが入った革新的なシューズである『ズーム ヴェイパーフライ4%』は今、多くのランナーの間で注目を集めているが、鬼塚もその性能には驚くことが多いという。