【月報・青学陸上部】出雲駅伝エントリー発表。レースを走るのは誰か? (5ページ目)
そう言って無念そうに視線を落とした。夏合宿に入ってチーム内での練習は他の選手よりも走れるようになった。しかし、その走りをうまくレースにつなげることができていない。今の青学の選手が抱えている問題を吉永自身も抱えていたのだ。
「もう4年なのに、いまだにそれが課題というのは......」
そう言ってため息をついた。4年生でキャプテンという立場を考えると忸怩(じくじ)たる思いがあるだろう。
昨年の出雲駅伝は4区の茂木、5区の安藤ら4年生の快走で優勝を勝ち取った。アンカーでゴールした一色の涙に4年生がつないだ襷(たすき)の重さと4年生の絆の強さを感じた。それを間近で見ていただけに吉永は、なんとしても今年は4年生として出雲に出走したかったはずだが......。
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原晋監督が学内のイベントで、出雲駅伝のエントリーメンバーを発表した 9月23日、青学グリーンフェスティバル――。
青山学院大の構内で模擬店やイベントなど、さまざまな催し物が行なわれる青学OB、OGの学園祭である。前日の雨が上がり、気温22度と過ごしやすい天候の中、大勢の人がアイビーステージの前に集まっていた。これから出雲駅伝の登録メンバーが発表されるのだ。昨年もこのグリーンフェスティバルで発表されて大いに盛り上がり、すっかり人気イベントのひとつに定着した。
チアリーダーの応援、応援団のエールが終わると原晋監督が登壇した。マイクを片手に選手の名前を呼び上げていく。
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