夏合宿の地獄坂トレーニング。東海大の「5区山登り」は春日主将か
2011年から東海大学陸上競技部駅伝部を指導する両角速監督東海大・駅伝戦記 第5回
選手たちが、ホテルの近くにある芝生に集合してきた。
今日は午前10時からウエイトトレーニングが始まり、ケアや治療予定が入っている選手はホテルで静養している。春日千速(ちはや)主将をはじめ10名の選手が集まり、ストレッチを始めた。「ピラー」というストレッチで2人1組になり、2人同時にジャンプしてハイタッチしたり、立ったまま横に倒れた人を支えたり、数種目をこなしていく。それがひと通り終わるとウエイトトレーニングに入る。
東海大の夏合宿で今シーズンから本格的に導入し、高地トレーニングと並んで柱になっているのが、ウエイトだ。
ウエイトは2年ほど前からオレゴン大出身でアメリカS&Cコーチ資格を持ち、チームのストレングス&コンディションアドバイザーを務める林隆道に頼み、部内で始めた。しかし、なかなか本格的な導入には至らなかった。転機になったのは今年2月だ。關颯人(せき はやと/2年)や鬼塚翔太(2年)らがアメリカに短期留学した時、海外の選手がウエイトを積極的に取り入れ、走力を上げていることに衝撃を受けた。彼らはその場ですぐに始めたという。
短距離の選手ならまだしも、長距離の選手がウエイト?と思うかもしれない。いまだにウエイトをやると体が重く硬くなるとの偏見も多い。東海大も過去に一度、導入を見合わせているのだが、なぜ、今シーズンからウエイトに取り組むようになったのだろうか。
両角速(もろずみ・はやし)監督が言う。
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