メダリストをゴボウ抜き。2冠のサニブラウンが積み上げた速さの秘密 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之/PICSPORT●写真 photo by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT

 200mへの手応えに加え、最初の100m予選が10秒06という好成績。そこでサニブラウンは完全に勢いに乗った。

「100mで優勝したし、疲れもあったから200mは3番以内に入ればいいかなという考えもあったけど、それはちょっと違うなというのも自分の中にあって......。そこはしっかり勝ちにこだわろうかなと思いました。元々200mが好きだし、自分が200mでどういう走りをできるかもわかっているので。今回は、自分の体と相談して、どういうレースができるかを考えて勝つことができたので、いい収穫だった。その点では、本当に自分の体を見て最善の選択ができたのかなと思います」

 自分の体を冷静に見られるようになったのは、昨年の故障から得た教訓である。

 本人にとって予想以上の結果だった。100mでは9秒台も見えてきたが、今は「このスピードで200mが走れたらいいタイムが期待できる。今できる100mの前半の走りと、いつも通りの200mの後半を合わせたら、いい形の200mが走れるのではないか」という。

「100mで、できている最初の3歩の速いさばきをカーブからスタートする200mでやるのは、まだまだ難しい部分はあるし、決勝ではスタートからの3~4歩をしっかり押せていなくて、スピードに乗りにくかった部分もあった。そのへんが、もっとうまくできるようになれば、19秒台も見えてくるかなという感じですね」

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