今回の箱根は2区で消えない。上武大・近藤監督が描くシード権獲得への戦略

  • 加藤康博●文 text by Kato Yasuhiro

 戦前の低評価を覆してチームを箱根駅伝本戦に導いた上武大の近藤重勝監督。前回の記事では、メンタルトレーニングの導入など独自の調整法を紹介したが、10月の予選会からの2カ月も、例年とは異なるアプローチ方法を取っている。

初のシード権獲得を目指す、上武大の近藤監督(中央)と選手たち初のシード権獲得を目指す、上武大の近藤監督(中央)と選手たち

 これまでの上武大は、シード権獲得を果たすために箱根の本番直前までハードな練習を積んでいた。しかし、今年の走り込み期間は11月後半から12月前半にかけての伊豆大島での合宿まで。その後、強度の高い練習は間隔を置きながらの実施へと変えている。これは力を維持しながら、コンディションの向上を図るためだ。

「直前まで頑張り過ぎないようにしたのは、自然体で箱根に臨もうという意味合いもあります。幸い、その取り組み方のせいか、エントリーメンバーは皆、故障なくここまできていますし、全員が持てる力を出せる状況ができつつあります」

 近藤監督の言葉通り、戦力は予選会以上のものへと仕上がってきた。エースは予選会でもチームトップの東森拓(4年)。これまでは調子の波が大きかったが、今季はメンタルトレーニングの成果もあり、状態が悪くてもそれを受け入れて修正できる力がついた。そこに、主将の森田清貴や上田隼平(共に4年)、坂本佳太(3年)といった箱根経験者、今季大きく成長した太田黒卓(2年)が主力としてチームを支える。

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