低評価を覆して箱根を走る上武大。
近藤監督は選手のメンタルを磨く

  • 加藤康博●文 text by Kato Yasuhiro
  • photo by Sportiva

 上武大学が9度目の箱根駅伝に挑む。目標は10位以内に与えられる次年度大会のシード権の獲得だ。過去8大会もそこにチャレンジし続けてきたが、ことごとく跳ね返されてきた。しかし、近藤重勝監督は「力を出し切れば十分に可能だと考えています」と自信を見せる。

自身も箱根5区を4度走り、区間賞を2度受賞している近藤監督自身も箱根5区を4度走り、区間賞を2度受賞している近藤監督

 この春、花田勝彦前監督(現GMOアスリーツ監督)からその職を引き継いだ。それまでもコーチとしてチームを指導していたため、「近藤新体制」へはスムーズに移行したが、前年度の箱根は最下位。今季の戦力についても周囲の評価は決して高くなく、10月の箱根予選会も通過を危ぶむ声があった。

 しかし、その下馬評を見事に覆し、今大会の出場権を獲得。現役時代にオリンピックに2度出場した花田氏に比べると、キャリアの華やかさでは負けるかもしれないが、選手の力を引き出す手腕が確かなものであることを証明してみせた。

「今年度は箱根経験者も多く残り、能力の高い選手がいたので、練習さえしっかりできれば予選会を通過できると考えていました。周囲の評価が低いことは理解していましたが、選手がプレッシャーを感じることなく走れたので、いい方向に作用したと思います」

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