2016.06.29

200m日本新の福島千里に聞く
「3度目の五輪、リオで何を狙うのか」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 陸上の日本選手権最終日、6月26日の女子200m決勝。全選手がスタートを切るとすぐに、会場にどよめきが起こった。最初からするするっとスピードを上げた4レーンの福島千里(北海道ハイテクAC)が、70m付近では外側の8レーンの選手まで抜き去る圧倒的な走りを見せたからだ。

6年ぶりに200mの自身の持つ日本記録を更新した福島千里 スピードは最後まで落ちずに、2位に0秒58の大差をつけてゴール。速報版の22秒86と追い風1.8mの数字を確認すると、福島は走りながら大きく両手を広げて喜びを表した。その後に出た正式計時は22秒88。2010年5月に出した22秒89を6年ぶりに塗り替える、日本記録更新となった。

「素直に嬉しいと思いました。本当によかったなって......」

 こう言って笑顔を浮かべる福島は、12年ロンドン五輪後はしばらく足踏みをしていたが、昨年から徐々に状態が上がってきて、いつでも日本記録を出せるくらいまでになっていた。今年に入ってからさらに出力は上がり、「冬場のタイムを計測する練習も去年の夏のピーク時と同じくらいの記録を出せていたので、いいんじゃないのかなと思っていました」という好調な状態でこの五輪シーズンに入った。

 ところが、初戦だった4月29日の織田記念100mでは予選で右ふくらはぎが痙攣し、決勝は棄権。その後に予定されていた2大会も欠場した。昨年の織田記念でも初日の200m予選で痙攣が起き、決勝は走って23秒54で優勝したが、翌日の100mを棄権したのと同じようなシーズンインになってしまった。