イケメンスプリンター飯塚翔太が復活。男子200mでリオ決勝に期待 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 しかし、今季は食事を見直すなど肉体改造で体脂肪率を下げ、練習方法も工夫した。さらに昨年の春から取り組んできたコンパクトで力を使わない前半の走りにも推進力が出てきて、理想とする形に近づいてきた。これが春先からの好調につながり、5月3日の静岡国際と8日のゴールデングランプリでは、条件が悪い中で20秒38と20秒40と、まずまずのタイムを記録。「感覚としてはいつでも派遣設定の20秒28は出る感じです」と明るい表情で語れる状態だった。

 結局、事前に派遣設定記録を突破できずに日本選手権に臨む形にはなったが、春先から積み上げてきた自信が、決勝で自分の走りに徹することができた要因になった。

「独特な緊張感がある日本選手権の決勝で、久しぶりに自己ベストを出せたのがすごくうれしいですね。本当に自信がありました。それが去年との違いで、やたら集中していたし。それもやっぱりライバルがいるおかげですね。去年は世界選手権をテレビで見て主役になれなかったのが悔しかったし、先輩たちが準決勝へ進んで厳しい戦いをしたのも見ていたから。次はあれ以上の結果を出せるようになろうと思って練習に取り組んできました」

 こう話す飯塚は、ようやくエースとして世界と戦う舞台に立つことをしっかり自覚できるまでになった。

 一方、ケガの影響もあり今季は出遅れていた高瀬も、恐る恐る走った感じの予選では1組3位ながら20秒49を出して決勝へのメドをつけていた。

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