箱根駅伝予選会、明暗を分けた「10秒」の差はどこにあったのか (4ページ目)
どちらかというと前半型のレースを見せた国士館大とは反対に、「終盤重視」の戦略で初出場を勝ち取ったのが東京国際大だ。創部5年目の新興チームは、前回13位まで順位を上げており、今年は“5年計画”のラストイヤーだった。「残り5kmからが勝負だと、細かくタイムを意識して練習してきました」と大志田秀次監督。レース2日前にも再度コースを下見するなど、特に19kmからゴールまで残り1kmは「ぶっ倒れるまで力を振り絞る」というイメージを大切にしていた。
そして選手たちは、18km付近でチームメートが掲げたボードを目にしている。そこには、「15km地点で12位、10位國學院大と4秒差」と書かれていた。ラストを上げれば通過できる。選手たちは“夢”に向かって最後の力を絞り出した。レース終盤での意識の差が、運命を変えたのかもしれない。
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