走るフリーアナ・中島彩「3回目の東京マラソンに込めた想い」 (3ページ目)

  • 中島彩●文 text by Nakajima Aya  甲斐啓二郎●写真 photo by Kai Keijiro

 マラソンと天気――。少しでもランナーのお役に立てないかと考えた私は、今年の春から気象を研究する大学院に通うことにしました。4月からは働きながら大学院生として気象のことを勉強し、東京マラソンに参加する方々をはじめ、市民ランナーのみなさんの成績や健康に役立てられるよう、頑張っていきたいと思っています。

☆東京マラソン目前。胸に秘めた私の想い

 さて、話は戻って、今年の東京マラソンについて。私は支援者から寄付金10万円を募り、チャリティーランナーとして走ります。寄付先は、昨年と同様、東日本大震災復興支援事業にしました(寄付受付はコチラ)

 今年も東京マラソンを走る前に、被災地の岩手県陸前高田市を訪れました。昨年までの陸前高田は、まだ土地もところどころ荒れていました。しかし今年は、復興が明らかに進んだように感じます。破損した建物の多くは撤去され、荒れた土地も綺麗な更地となり、道路もしっかりと舗装され、壊れていた信号機も修復していました。

 陸前高田市の沿岸にある千本松で有名な「高田松原」は、ランナーの聖地としても知られた場所でした。沿岸に広がる砂浜は足腰を鍛えるトレーニングに適しているので、全国各地の駅伝選手たちが合宿を行なっていたのです。しかし、震災後は「奇跡の一本松」を残し、すべてを失いました。

「いつか、全国の市民ランナーと高田松原で走りたい」

 これが、東京マラソンを前に、私が胸に秘めている想いです。

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