【続・東京マラソンへの道】有森裕子さんに「市民ランナーの心得」を聞きました (2ページ目)

  • 中島彩●文 text by Nakajima Aya
  • 阿部卓功●写真 photo by Abe Takanori 久慈真史●ヘアメイク Hair & Make by Kuji Masafumi

中島 私もつい、頑張り過ぎてしまうんですよね。でも、休養をしっかり取ろうと思うと、その間に太ってしまうんじゃないかなと心配にもなって......。

有森 要は、どんな休養をするかが大事です。走ることに必要なのは、足だけじゃないから。上半身のウェイトトレーニングとか、水泳や水中ランニングなど、負担を掛けない方法はいっぱいありますよ。

中島 走ったあとの疲労は、どうやって取るのがオススメですか?

有森 一番簡単なのは、水風呂に入ること。腰から下だけ10秒ぐらい水に浸かって、サッと出るのが一番いい方法かな。入った瞬間は冷たいけど、水から上がったあとは温かくなりますから。疲労が溜まると血流が悪くなりがちですが、水風呂に入ると一気に血流が良くなりますよ。

中島 シャワーを浴びるのは、どうですか?

有森 シャワーはあまり意味がないですね。シャワーは立っている状態なので、疲れが取れないから。全身の力を抜いた状態にしてあげることが大切です。

中島 あと、筋肉痛になったときは、走るのを止めるべきでしょうか?

有森 筋肉痛で走っても、それは全然大丈夫。徐々に筋肉をほぐしてあげたほうがいいですね。痛みが強いときはダメだけど、ジワっと汗をかくぐらいのほうが筋肉にとっていいんですよ。

   ☆ ☆ ☆

中島 そして、大会に出たときの話なんですが、私は大会前夜、緊張して眠れないことがあるんです。精神安定剤とか飲んで寝たほうがいいのでしょうか?

有森 別に寝なくてもいいんですよ。もちろん、睡眠は取れたほうがいいけど、大事なのは身体を休めること。だからベッドに横になっているだけでも十分いいの。寝なきゃならないって思うから緊張するわけで、「横になっているだけでも大丈夫なんだ」と思うようにして。

中島 あと、緊張しすぎて、レース序盤でお腹が痛くなるという経験もありました。女性は便秘症の方が多いので、何か解決法はありますか?

有森 どんなものを食べているか、によりますね。

中島 私はレースの3日前から炭水化物メインの食事にして、前日はピザの食べ放題とか行きます。

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