東京でメダル獲得を。車いすバスケ女子日本代表の課題が明確になった (3ページ目)

  • 斎藤寿子●取材・文・写真 text&photo by Saito Hisako

 しかし、大会初戦で再び行なわれたイギリス戦で、日本はしっかりとその対策を練っていた。イギリスがほとんどの主力を温存した第1Q、日本はマークする相手を瞬時に替えたり、お互いにヘルプにいく連係の取れた好守備で相手をインサイドから締め出した。

 さらに、エースのコンロイを徹底マーク。そのため、コンロイは10分間無得点に終わり、イギリスは思うように得点を伸ばすことができなかった。

 すると第2Q、イギリスは主力をそろえてきた。それでも日本は流れを引き渡さなかった。たとえミスマッチの状況でも、簡単にはインサイドを割らせない。しっかりと相手の動きを止め、さらに相手の車いすをアウトサイドに押し出し、よりタフな状況に追い込んだ。結局、前半でコンロイを3得点に抑えたことで、日本はイギリスとしっかりと競り合った。結果は44-49。負けはしたものの、しっかりと修正してみせた。

 一方オフェンス面では大会を通してシュート成功率が上がらず、苦戦を強いられたものの、それでも随所に日本らしいプレーもあった。たとえば、カナダとの第2戦、日本は第1Qで13-10とリードしたが、13点中、藤井郁美のフリースロー1本を除いて12点はローポインターである萩野真世と北間優衣が挙げた得点だった。藤井、網本麻里のハイポインター陣のアウトサイドからのミドルシュートを警戒し、カナダの守備は3Pラインまで広く張り出してきていた。そのために広く空いたインサイドをローポインター2人がスクリーンプレーで果敢に攻めたのだ。

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