2019.10.26

車いすラグビーも「ONE TEAM」。
東京パラに向け次世代が成長中

  • 荒木美晴●取材・文・写真 text&photo by Araki Miharu

 日本の大活躍で盛り上がるラグビーW杯とともに、”もうひとつのワールドカップ”「車いすラグビーワールドチャレンジ2019」が東京体育館で開催された。世界ランキングトップ10のうち、8カ国(オーストラリア、日本、アメリカ、イギリス、カナダ、フランス、ニュージーランド、ブラジル)が参加。予選リーグを全勝で勝ち上がった世界ランク2位の日本は、準決勝で同1位のオーストラリアに56-57の1点差で敗れたが、3位決定戦でイギリスに勝利し、銅メダルを獲得した。

まだ高校生ながら、世界の舞台で堂々と戦った橋本勝也 優勝を目標に掲げていた日本の前に立ちはだかったのは、最大のライバル・オーストラリア。今年9月のアジアオセアニア選手権(AOC)でも敗れた相手だ。強固なディフェンス、スピード、コート上の4人の流れるような連携と高い集中力。王者の貫禄が、そこにはあった。

 敗れはしたが、日本も対等な戦いを見せた。切れ味鋭いランやロングパスで得点を重ねるハイポインター(障がいが軽い選手)だけでなく、守備で貢献することが多いローポインター(障がいが重い選手)も前線でトライできるのが今の日本だ。だが、同点で迎えた最終ピリオドの序盤、激しいボールの奪い合いから日本がファウルをとられて連続トライを許してしまう。結局、この1点が最後まで響いた。わずかなミスを犯してしまった日本、そしてそのチャンスを逃さず確実に突いてきたオーストラリア。その差がスコアに表れた。

「本当に悔しいです」

 キャプテンの池透暢(ゆきのぶ/クラス3.0)は、そう言葉を絞り出した。「東京パラリンピックでの直接対決を想定した大一番。最大限の努力をしてきたつもりだけど、準備が足りなかったということ。今、日本はパラで金メダルが獲れる『かも』しれないチーム。だけど、それを『獲れる』チームに変えていかなければいけない」

 届かなかったオーストラリアの背中。何人かの選手が、赤く目を腫らしてコートから引き揚げてきた。高校2年の橋本勝也(クラス3.0)もそのひとり。実はこの試合、橋本に出場機会はなく、ベンチで試合を見届けた。その悔しさと、敗戦への無念さが溢れ出ていた。