ブラサカ日本代表が強豪国に善戦。2018年は確かな成長を遂げた (3ページ目)

  • 井上俊樹●取材・文 text by Inoue Toshiki
  • 日本ブラインドサッカー協会●写真提供

 その意味で、世界ランクトップクラスの強豪を招いて品川で行なった3月の「ワールドグランプリ」は、その後の強化の指針が明確に定まる機会となった。初戦はイングランド(世界ランク12位)を相手にエース黒田智成(たまハッサーズ)の2ゴールの活躍で2−1と勝利。同点以上で決勝進出となるトルコ戦(同6位)は黒田の負傷による途中退場も響き0−2と敗れたものの、5位決定戦のフランス戦(同14位)は川村のゴールで1−0と快勝した。

 ここから高田監督は「自ら外に出向き世界と戦う」方向に舵を切り、5月に欧州遠征(ベルギー)、8月に南米遠征(アルゼンチン、ブラジル)が組まれた。

 5月の遠征で、ベルギー・シャルルロワの国際大会を選んだのは、過去一度も勝利したことのないイラン(世界ランク5位)との対戦機会が欲しかったからだ。

 そのイラン戦では、川村がゴール決めて1−0で勝利。16年リオデジャネイロパラリンピックで銀メダルを獲得している相手に、9度目の対戦で初白星を挙げ、貴重な勝利に自信を深めた。

 8月の南米遠征は、リオパラ金メダルのブラジル(世界ランク1位)と、銅メダルのアルゼンチン(世界ランク2位)との試合が組まれた。長時間移動を伴う、日本とは全く異なる環境下での力試しだった。

 アルゼンチンを相手に、前述の通り対戦史上初めての引き分けで、無失点という成果を達成すると、世界王者ブラジル相手にも、無失点での引き分けという快挙を成し遂げた。

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