2018.03.21

平昌で全敗のパラアイスホッケー日本。
再起へ待ち受けるイバラ道

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • photo by Photo Service One/Uehara Yoshiharu

 平昌パラリンピック最終日の3月18日、江陵ホッケーセンターではパラアイスホッケー決勝が行なわれた。開場が満員になったそのカードは、ともに優勝候補のカナダ対アメリカ。試合は最終ピリオドの終了直前に同点に追いついたアメリカが、延長戦で決勝ゴールを決め、金メダルを手にした。これでアメリカはパラリンピック3連覇を達成。カナダは2006年トリノ大会以来の金メダル獲得はならなかった。

7、8位決定戦でもスウェーデンを相手に厳しい戦いを強いられた日本 出場8チーム中、アメリカとカナダの実力は突出しており、どちらも1次リーグ、準決勝を圧倒的な強さで勝ち上がった。世界のパラアイスホッケー界の双璧が、そのプライドをかけて戦った決勝は、個々の高い技術に裏打ちされた戦術、最後まで諦めない粘りやメンタルの強さが存分に発揮されていた。世界一を決めるにふさわしい、「これぞホッケー」という試合を観て、パラアイスホッケーの魅力に気づいた人も多かったのではないだろうか。

 一方、2大会ぶりに出場した日本は、5戦全敗で最下位の8位に沈んだ。強化してきた守りのシステムが機能した場面もあったが、焦りからレシーブやパスのミスが多発。そこからポジションが崩れ、失点を重ねた。初戦の韓国戦で5人対3人のパワープレーという絶対的チャンスがありながら攻め切れなかったシーンが物語るように、得点力不足は深刻すぎる課題だ。

 日本チームの登録17選手のうち半数がパラ初出場ながら、平均年齢は「41.9歳」と高く、大会前からその話題が取り沙汰されていた。人材不足のため、ベテランが踏ん張り、また一度は代表を引退していた選手たちが復活した背景もある。この平均年齢の数字は、国内で競技の灯を消さぬよう、またパラで勝つために努力と夢をつないできた彼らの功績を示すものでもある。

 ただ、現実を見ると、その経験値を生かしたプレーができたのは、下位チームが集まる世界選手権Bプールや平昌パラの最終予選まで。世界トップが集まるパラリンピックでは、通用しなかった。スケーティングやハンドリング、視野の広さ、戦術の理解力と実践力、メンタル面、そしてアスリートとしての意識……。結果を見る限り、他国との間に開きがあったと言わざるを得ない。日本代表の中北浩仁監督は「これが実力。すべて私の責任」と肩を落とした。