東京パラ、そして別次元へ。パラサイクリングの藤田征樹が目指すもの (4ページ目)

  • 大地功一●取材・文・写真 text&photo by Oochi Koichi

「そういう風になれるように頑張っていきたい。野望はね、持っています(笑)」

 発せられた「野望」というたったひとつの言葉が、自転車選手・藤田征樹が競技人生で味わった苦労、自信、向上心など藤田の歴史そのものを想起させる。

 そんな藤田には強く残っている言葉があるという。

「ロンドンの前の話になるんですけど、ロンドンに向けて準備していく中で、自転車のプロの選手から叱咤激励をいただきました。『もっと代表の自覚を持って、トレーニングや生活などをもっと真摯にやっていきなさい』。長くトップのプロ選手として活躍された方の言葉です。

 自分なりにやっていても、厳しい世界の方から、『まだまだ甘い』という見方、厳しい言葉をかけていただいた。正直、自分も北京でメダルを獲って、自分なりにわからない中で自転車の経験を積んで、選手としていっぱしにやっていこう、ロンドンを目指そう、と言っている中でなかなか成績が振るっていなかった。

 そこでしっかりやって、日本代表、メダリストの自覚やプライドをもっともっと持っていかないといけないよ、という言葉は今でも自分のためになっている。その言葉を十分満たしているかどうか、まだまだ甘いと思うんですけども、選手としてしっかりやりたいという気持ちはあります」

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