リオパラリンピック開幕。日本の有力選手・注目選手は誰だ? (2ページ目)
女子シングルスで、金メダル候補ナンバー1に挙げられるのは上地結衣(エイベックス)だ。潜在性二分脊椎症のため10歳から車椅子生活を余儀なくされたが、11歳で車いすテニスを始め、高校3年生のときにロンドンパラに初出場し、ベスト8。卒業後プロに転向すると、2014年全仏・全米でシングル・ダブルス優勝を果たし、日本人女子初の世界ランキング1位に。今大会の開会式では旗手として日本選手団の先頭を行進した。
水泳は障がいの種類、程度によって分けられたクラスごとにタイムを競い合う。選手は独自の泳法を開発し、視覚障がいのクラスでは、棒で頭などを軽く叩いてターンやゴールのタイミングを知らせるタッピングという合図があるが、基本的なルールは健常者のレースと変わらない。
日本勢では8年ぶりにパラリンピックに帰ってきた、「水の女王」成田真由美(横浜サクラ)が国内外の話題を集めている。1996年アトランタ大会からシドニー、アテネの3大会で金メダル15個を含む20個のメダルを獲得。なかでも、アテネでは出場した個人6種目すべてと50m×4リレーで金メダル7個を獲るとともに、世界新記録6つ、大会新記録1つを樹立した。4大会連続出場を果たした北京では、クラス分けが変更され、より障がいが軽いクラスに入れられてメダル獲得はならず。その後、股関節の手術を繰り返し、一度は現役を引退したが、2015年になって7年ぶりに復帰。東京オリンピック・パラリンピック大会組織員会理事を務めるベテランが、再び日本パラリンピック水泳陣をリードする。
また、男子では木村敬一(東京ガス/全盲クラス)の複数種目の金メダル獲得が期待されている。北京パラリンピックでは3種目で入賞し、ロンドン大会では100m平泳ぎ銀、同バタフライで銅メダルを手にしたが、さらに上を目指し、徹底的に肉体改造に取り組んだ。2015年世界選手権は、100m平泳ぎ・バタフライの2冠を制覇。リオでは、アフガニスタン従軍時に爆撃を受けて視覚障がいを負った、元アメリカ海軍のブラッドリー・スナイダーとの世界最高レベルのライバル対決に注目だ。
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