パラ陸上・高桑早生「今年になって、世界を意識し始めました」 (3ページ目)

  • 文●スポルティーバ text by Sportiva
  • 写真●五十嵐和博 photo by Igarashi Kazuhiro

伊藤 今のお話を聞いてると、メンタルの強さを感じますけど、強いって言われませんか?

高桑 言われますけど、決してそうでもないんです。自分のことに必死なだけで。国内では下の世代がなかなか出てこないですけど、やはり世界に目を向けた時に、やっぱり選手は増えてきてるし年齢層も下がってきてる。そう思うと、自分も頑張らないとすぐに追い越されるって、最近やっと考えるようになってきました。

伊藤 世界を見据え始めたってことですね。

高桑 今年に入ったぐらいからそう感じ始めました。

伊藤 じゃあ、本当にごく最近なんですね。

高桑 最近ですね。

伊藤 世界を見始めると、自分にとってハードルの高いの記録を出せるようにしなきゃいけないとか、国内で試合をしていたときとはちょっと違う物差しで考えたりしませんか? 

高桑 まさに、そこを最近考えなきゃいけないなって思い始めたところです。今までだったら、自分のペースで階段を上っていけば、いずれ先頭集団にたどり着く。そんな遠い未来じゃなくて、結構すぐにたどり着くんじゃないかなって思ってたんです。そうしたらマイペースに無理せず記録を伸ばしていけると思っていました。ただ、海外を意識すると、そのペースだとすぐに追い越されるぐらい下からの勢いが来てるんじゃないかって、ここ数カ月の話なんですけど感じ始めました。じゃあ今度は、上に行くのも、そもそも現状を維持するだけでも大変なんじゃないかなって。自分が階段を上った分だけ周りも上ってるわけで。

伊藤 それを考えられる人は一握りのアスリートですね。世界と自分を比べられる人ってそんなにいないじゃないですか。

高桑 結構難しいですよね。それこそ国内にライバルらしいライバルがいないので、国内と海外のギャップがありすぎて。そこのモチベーションを保つのは、私もそんなに海外経験が多くないので、難しいなって感じますね。

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