フェンシング江村美咲を襲った燃え尽き症候群 「やってしまえ」と髪を全頭ブリーチしたら、心が解放された (2ページ目)
【練習の時間を大事にしようと】
── 話を聞いていると、少し苦しいというか、自分に厳しすぎるというか。完璧を求めてしまうタイプなのでしょうか。
「苦しいですけど、好きなことだからこそ集中しすぎてしまう、みたいなところはあるんですよね。フェンシングに関してはとてもストイックなんですけど、『完璧主義』という言葉からは程遠くて。たとえば、部屋は実は汚かったり(笑)。『部屋、けっこうきれいですね』って言ってもらえるようにしていきたいです」
── 抜けているところもあると聞くと、少し安心します。リオオリンピック後の2017年4月、中央大学法学部に入学されました。なぜこの大学を選ばれたのでしょう。
「自分は、まだ誰もやっていないところに挑戦するのが好きなんです。当時、中央大学のフェンシング部は男子がメインで、女子はサーブルでチームを組めるほど人数がいませんでした。まだ女子の歴史がないところに新しく行きたいという思いがあったのと、キャンパスが大きくて、『ザ・大学』という感じに憧れたこともあって選びました。
当時は、大学側としても東京オリンピックを目指すタイミングで、『オリンピックに中央大の学生を輩出する』という目標を立てていました。そのぶん、体制も整えていただきました」
── 練習環境は変わりましたか?
「練習は大学ではなく、ナショナルチームのほうでやっていたので、大きくは変わりませんでした。ただ、大学の授業のために八王子の多摩キャンパスまで通っていたので、それが大変でした。
高校は通信制だったので、月曜から金曜までフルで練習に行けたんですけど、大学に入ってからは練習できる時間が大幅に減りました。多摩キャンパスまで往復すると2時間以上かかるんです。でもそのぶん、練習の時間を大事にしようと思うようになったのは大きかったですね」
── 東京オリンピックを目指していた時期だと思いますが、フェンシングへの取り組み方は変わっていったのでしょうか?
「大学時代はしばらく、ワールドカップでベスト8まで行くけどメダルに届かない時期が続きました。最初はベスト8にも残れなかったので、『ここまで来た』という感覚があったんです。
でも、安定してベスト8に行けるようになると、今度は『このレベルじゃダメだ』と思えるようになりました。目標を小刻みに上げていく──。そういう時期が、大学2年生くらいまで続いたと思います」
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