本田望結が語る主演映画『カーリングの神様』の見どころ「選手のみなさんにこそ、ご覧になってほしい」 (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro

――それでも、作品のなかではスタントなしで、本田さんご自身がカーリングのデリバリーシーンを見事に演じていました。

「自分のなかでしっかり投げられているという手応えがあっても、技術指導のコーチから『さっきのほうがよかった』といったケースもありましたし、逆にコーチから『OK』と言ってもらっても、自分的には練習のときのほうがよかったなと思ったら『もう1回、チャレンジさせてください』と言って、お願いすることもありました。監督とコーチと私、それぞれの『OK』が出ないと次に進めない、厳密なミッションをこなしているような感じです。そういう意味では(撮影の)毎日、毎日が戦いでした」

――その"戦いの現場"は、精神的に厳しくなかったですか。

「もちろん大変な、厳しい現場なのですが、大変であればあるほど、(自分は)やっぱり燃えます」

――「燃える」というのは、本田さんご自身の性格的なものなのでしょうか。

「性格もありますが......。お芝居の現場において、もちろん簡単なものなどないんですけど、それでも自分に課されたミッションがあればあるほど、(それを果たしていくなかで)『生きているな』って感じます」

――映画が公開されると、実際にカーリングのプレー経験がある方、またトッププレーヤーたちも鑑賞されるのではないかと思います。今回のミッションの成果を見られることに、怖さであったり、不安を感じたり、ということはありますか。

「怖いと言えば怖いのですが、私はカーリングの選手のみなさんにこそ、ぜひこの映画をご覧になってほしいと思っています。カーリングの面白い部分はもちろん、難しいところ、悔しいところ、もしかしたらカーリングのことを嫌いになってしまうんじゃないか、っていうような場面もあったりするのですが、本当にリアルな"カーリングの映画"になっていますので。

(カーリングの)経験者や選手のみなさんがどこに共感してくれるのか、どう感じるのか。私たちの(デリバリー)フォームがどうだったか、そんな感想を聞けたらうれしいです」

――リアルなカーリング選手を演じることで、特に意識していたのはどういった部分でしょうか。

「専門的な技術を意識しながらお芝居するのは難しいかもしれない――(撮影に入る)事前にはそんなことも考えたのですが、やってみると"石を投げる"という動きにきちんと集中していれば、自然と真剣な表情になっていました。ひょっとして(フィギュアスケーターでもある)私にとってスポーツの映画は、お芝居しやすいのかもしれない、といったことを感じました」

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