強豪バレー部からビキニフィットネス界のホープへ 小倉あれずが国際大会4位で得た手ごたえ「世界の舞台ならもっと羽ばたけるかもしれない」 (4ページ目)

  • 武松佑季●取材・文 text by Takematsu Yuki
  • 田中 亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

【世界の舞台で感じた自分の可能性】

ーー小倉さんはお父さんがイラン人だそうですね。

 はい。宇都宮でトルコ料理居酒屋「しゃらく」ってお店をやってます。おいしいので、宇都宮に来たらぜひお立ち寄りください! 以上、宣伝でした(笑)。

ーー(笑)。骨格が日本人と違うと感じることは?

 それまで意識したことはなかったのですが、大会で審査員の方から「骨格が日本人選手とは違って異質に見えるから、どう評価していいかわからない」と言われたことがありました。

 それからあえて日本人に寄せるポージングに変えました。それと同時に、世界を舞台にした大会ならもっと私は羽ばたけるかもしれない、と思いました。

ーーおっしゃるとおり、昨年の国際大会「アーノルド・クラシック・ヨーロッパ」で日本人選手最高位の4位を獲得しました。

 ポージング練習のために、去年は世界で一番ヒールを履いたという自負があります。1時間ごとに先生を変えて、1日7〜8時間、長い時には10時間履いた日もありました。足の皮もめちゃくちゃむけました(笑)。

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ーーつらくはないですか?

 ポージングしてる時間が唯一の癒しってくらい大好きだから大丈夫です!(笑) ポージングによって体の弱い部分を消せるし、いいところをより強調できる。やればやるだけ自信がつくという面もあります。

ーー得意なポーズは?

 私はウエストの幅が広くて薄いタイプなので、サイドポーズの見栄えがいいと思います。呼吸でウエストラインはいくらでも締められるので。

 それと人よりも脚が長いからフロントポーズの時に脚が細く見えてしまう。だから、脚の幅を狭くして立って、脚の間の空間が大きくならないようにしたり、自信が満ちている印象にするために、あごの角度を10度くらい上げて斜め下を見たりもします。

 そんなふうに、審査員はひとりじゃないから、いろんな角度から撮ってどこから見ても美しいポーズになるよう研究してますね。

ーー奥が深い。あらためてビキニフィットネスの魅力を教えてください。

 ビキニフィットネスは、ロールモデルがバービー人形らしいです。つまり、ビキニは体の締まり具合だけでなく、髪の毛のツヤ、表情、メイク、視線、肌のツヤも審査されるから、日ごろから仕草一つひとつに気をつけるようになりますし、美意識が高まります。

 筋肉バキバキで男性からすると女性らしく見えないかもしれないけど、生で見たら考え方が変わると思うので、ぜひ一度ステージを見に来てほしいです!

ーー後編では小倉さんも苦労しているという、フィットネスアスリートの減量事情について聞きます。

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6月22日公開予定:後編<コンプレックスだった「太い脚」「大きいお尻」が武器に変わった ガリガリ体型に憧れた小倉あれずがトップビキニ選手になるまで>を読む

取材協力/ゴールドジムスパレア宇都宮

【プロフィール】
小倉あれず おぐら・あれず 
1997年、栃木県生まれ。ビキニフィットネスアスリート。学生時代はバレーボールに取り組み、強豪・国学院栃木高では部長としてチームを引っ張り春高バレーに出場。2021年から本格的にトレーニングを始め、2023年の「オールジャパン フィットネス チャンピオンシップス」ビキニフィットネス158センチ以下級で2位、同年の階級無差別の「フィットネス ジャパン グランド チャンピオンシップス」では3位となり大躍進。スペインで開催された国際大会「アーノルド・クラシック・ヨーロッパ2023」ビキニフィットネス158センチ以下級では日本人最高位の4位に輝いた。

プロフィール

  • 武松佑季

    武松佑季 (たけまつ・ゆうき)

    雑誌ライター。1985年、神奈川県秦野市生まれ。編集プロダクションを経てフリーランスに。インタビュー記事を中心に各メディアに寄稿。東京ヤクルトファン。サウナー見習い。

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