児玉碧衣が異様な超スロースタートにも動じず地元でGⅠ制覇 3月の惨敗から「死ぬ気」の猛練習で巻き返す (3ページ目)

  • ハル飯田●文 text by Haru Iida

【敗れた選手たちも称賛】

 地元開催でGⅠ完全優勝というこれ以上ない結果を残した児玉だが、会見では昨年はGⅠ勝利後に調子が上がらなかったことに触れ「次も気持ちをきらさずに飛ばしていきたい」と、すぐに次戦を見据えた。

 急激なペースのアップダウンをものともせず、猛烈なスピードで抜ききっての勝利。表彰式ではプレゼンターを務めた原口新五久留米市長が「つよかですね!」と発すると、詰めかけた大勢のファンも口々に「つよか!」と歓喜の声を挙げ、敗れた選手たちもレース後、一様に児玉の強さを讃えた。

 それでもなお、児玉は優勝者インタビューをこう結んだ。

「『やっぱり児玉は強い』と思ってもらえるように、もっと上を目指して頑張りたい」

 この飽くなき向上心こそ、ファンに愛される女王の真の「強さ」なのかもしれない。

圧巻の優勝に充実感を漂わせる児玉photo by Takahashi Manabu圧巻の優勝に充実感を漂わせる児玉photo by Takahashi Manabuこの記事に関連する写真を見る

【Profile】
児玉碧衣(こだま・あおい)
1995年5月8日生まれ、福岡県出身。小学時代にバレーボールをやり始め、高校まで競技に励む。高校卒業後に日本競輪学校(現日本競輪選手養成所)に入り、成績2位で卒業。2015年7月のデビュー戦で勝利し、翌8月に初優勝を飾る。持ち前のポテンシャルの高さで勝利を重ね、2018年からガールズグランプリ3連覇を達成。2023年6月、初のGI開催となった「パールカップ」で初代女王に輝く。同年7月にはガールズケイリン史上最速で500勝を達成。2024年4月のGI開催「第2回オールガールズコレクション」で優勝し、2024年のガールズグランプリ出場を決めた。

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