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「死ぬまでこの体型を維持したい」声優・伊東健人が語る日々のコンディショニングと業界の転換点「声優個人に興味を持ってもらえる時代は終わる」 (2ページ目)

  • 佐藤主祥●取材・文 text by Sato Kazuyoshi
  • 松林寛太●撮影 photo by Matsubayashi Kanta

【声優ならではの"職業病"とは】

──声優と歌手の両立によってさらに忙しくされていると思います。前編ではボディメイクについても触れましたが、コンディション調整には気をつかわれているのではありませんか?

「そうですね。やはり声優といえども体が資本です。体調の良し悪しが声にあらわれることもありますから。人前に出る機会も増えてきているので、昔よりも今のほうが気をつけるようになったと思います」

──食事管理などについてはどうでしょう。

「基本的なことでしたら、気をつけている部分はあります。17時以降は炭水化物を摂り過ぎないようにするだとか、もう少し野菜を食べようとか。そこまでシビアにはやっていません。でも、半年に1回ぐらいの頻度でファスティングはやりますね。食べ過ぎたり、飲み過ぎたり、鏡を見て「ちょっとたるんできたかな...」と感じた時に実行します。

 ファスティングの期間としては1週間くらい。最初の2、3日をかけて固形物を減らしていき、1、2日は完全断食、そしてまた2、3日かけて復帰食を入れつつ徐々に通常の食事に戻していきます。リバウンドのリスクもあるので、気をつけながら無理のない範囲で行なっています」

──テレビやYouTubeなどで声優さんを見かけても、体型の維持だったり、しっかりとした自己管理をされている印象が強いです。

「そこに関しては、声優それぞれに正義があると思っていて。自分の身体を楽器と捉えると、どんな音を出したいのかによって、もう少し体を大きくしたほうがいいのか、あるいは絞ったほうがいいのか、というのは変わってくると思うんです。

 オペラ歌手も"肉体が自分の楽器"であることをよく話していますよね。目指している役柄だったり、声質にもよるとは思うんですけど、声優によって理想の声を出すための体づくりはしているのではないでしょうか」

──ということは、筋トレをされている声優さんは多いのですか?

「多いですね。流行りなのかな。でも、よく言われるんですよ。『男性声優って、多少売れると筋トレ始めるよね』って(笑)。さすがにそこは否定したいですね。普段なかなか運動できないから、将来のことを考えてトレーニングを始めているので。

 これは余談なんですけど、最近お医者さんに診察してもらった時に、声優ならではの職業病があることに気づいたんです。声優って、アフレコ中に台本を持つことが多いんですけど、僕の場合は左手で台本を持つので、左肩が前に出るんです。そうすると、体がバランスを取ろうとして自然と右側の骨盤が前に出てしまう。仕事中の姿勢の癖が、巻き肩と骨盤が歪む原因になっていたんです。

 しっかり治したいので、今後はそういうところも気をつけてトレーニングしていきたいですね。できることなら死ぬまでこの体型を維持したいので、その都度、自分の体と向き合いながらボディメイクを続けていこうと思います」

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