「仲間内でGⅠの話は全くしない」という意外 ガールズケイリン初のGⅠパールカップに向け優勝候補たちが静かに火花を散らす
パールカップの優勝候補、柳原真緒(左)と石井寛子この記事に関連する写真を見る
【東西から選抜された28選手で開催】
いよいよ、ガールズケイリンにGⅠがやってくる。
昨年、創設から10周年を迎え、2023年度からガールズケイリンにも初めて男子競輪と同様にGⅠに格づけられる競走が3レース新設された。その記念すべき第1回の「パールカップ」が、6月13日(火)から15日(木)にかけて岸和田競輪場で開催される。
6月の誕生石にちなんで名付けられたパールカップは、同開催で実施される男子GⅠ「高松宮記念杯競輪」と同様に、東西対抗戦の形式を採用。出場選手は東西からそれぞれ14名が選抜され、初日・2日目に行なわれる東西別の予選・準決勝を勝ち上がった選手だけが15日の決勝へと駒を進められる。
優勝すれば、ガールズケイリン初のGⅠ女王の称号、そして年末のガールズケイリン最高峰のレース「ガールズグランプリ2023」への出場権を獲得できる一大レースだ。
【 「闘志溢れるレースになる」柳原真緒 】
東西から実力者が選抜されるレースだけに勝負の行方は混戦が予想されるが、そのなかでも優勝候補の一角と目されるのが柳原真緒だ。昨年末の「ガールズグランプリ2022」を制し、ガールズ最優秀選手賞も受賞した26歳は、飛躍を確かなものにするため大舞台に挑む。
ここまでの自らのパフォーマンスを「いくつか仕掛け所のミスもあったんですが、しっかり自分のやりたいレースもできていると思います」と自己分析した上で、今年は「自分の動きを意識してレースしてくる人が増えた」と、マークの厳しさも肌で感じている。
「ガールズグランプリ2022」の覇者、柳原真緒この記事に関連する写真を見る
何よりも初のGⅠタイトルがもたらす「グランプリへの直通」がどれほど大きな価値を持つかは、昨年のグランプリ覇者である柳原自身が一番よくわかっているだろう。「初のGⅠということで気持ちも入りますし、誰もが最後までゴール線に一着で到達することをあきらめない、闘志溢れるレースになると思います」と、大一番を展望する。
特別なレースに、東西地区別の予選。顔ぶれは同じでも普段とはまた違ったレース展開が予想されるが、柳原は「いつもの自分のレースをするだけ。やることは変わらないです」と、あくまで普段通りを強調する。
「気持ちが入っても、平常心で行かないと勝てないですから」
そう笑って話した柳原。またひとつガールズケイリンの歴史に自らの名を残せるか。
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