ギャンブル中毒、借金まみれで「人生詰んだ」。MAX鈴木がどん底から日本一の大食い王に変われた本当の理由 (3ページ目)

  • 川原田 剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 立松尚積●撮影 photo by Tatematsu Naozumi

大食い王だけではない変わることができた理由

ーー大食いのトレーニングをほぼしていないにもかかわらず、初出場・初優勝できた理由は何だと思いますか?

MAX鈴木
 油そばのチャレンジメニューをクリアした時に、「お兄さんすごいね。おめでとう」と褒められて、賞金までもらえました。その時、「何これ!」ってビックリしたんです。人生でそんな経験がなかったので、快感でしたよ。

 その後、ちょっとずつ量を増やして、いろんなチャレンジメニューに行きました。油そばの次はステーキ、次は餃子、その次はラーメン、カレーライスという感じで、その先に大会がありました。だから自然にいい調整ができました。タイミングが本当によかったと思います。

ーー大会で優勝してから人生が上向きになったという感じですか?

MAX鈴木 いや、上向きになったのは嫁さんとの出会いです。チャンピオンになった次の2016年(大食い王決定戦)はタマゴ1個の差で負けて2位でしたが、その時に嫁さんに逆プロポーズされて、36歳で結婚しました。

 でも、その頃はまったくお金がありませんでした。水商売のバイト代が月5万円くらい。2016年に負けて腐って、また昔の自分に戻りかけていました。バイトをズル休みしたりもして、月3万の時も。結婚しているのに収入がほとんどなかった。にもかかわらず、2017年の大会に出場するためにトレーニングをしたいと嫁さんに言ったんです。トレーニングすると3カ月くらい仕事ができなくなります。それくらい突き詰めてやらなきゃ勝てないんです。

 それでもいいかと聞いたら、「今回もし優勝できなかったら、大食いをやめると約束できるんだったらいいよ」と言われました。それで死にもの狂いで挑んで、優勝することができました。それが僕にとってターニングポイントでしたね。

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