カーリング女子日本代表、快進撃の理由。難しいアイスへの対応力が向上、予選突破へ中国、韓国との連戦が山場 (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●文 text by Takeda Soichiro
  • 能登直/JMPA●撮影 photo by Noto Sunao/JMPA

 また、ここまでの4戦で、ロコ・ソラーレは不利な先攻で得点を奪うスチールを8回、1エンドで3点以上を獲得するビッグエンドを3回と、それぞれトップクラスの数字を残している。

 チャンスで攻める姿勢を貫けたのは、各地の多様なアイスで変化を察知する能力を養ってきたことと無関係ではないだろう。

 サードの吉田知那美は「五輪出場という経験が人生にとって特別であることは間違いない」としたうえで、五輪に向けてのコロナ禍での強化についても「同じくらい明日の練習も楽しみで、大切だと思っている」と語っていた。

 どんな状況にあっても決して諦めず、現状における最善を尽くす――その姿勢が今大会でも原動力となって、デンマーク戦での劇的な逆転劇や、ROC戦での連続スチールなどにつながっているのだろう。

 ラウンドロビン4戦を終えて3勝1敗という成績は、銅メダルを獲得した4年前と同じ。ただし、平昌五輪ではその後にスウェーデン、カナダ、スイスといった優勝候補との対戦が控えていた。もちろん、簡単な相手などひとつもないが、今後の対戦は少なくとも前回よりは与し易い5戦となっている。

 かなりの混戦模様ゆえ、おそらくクオリファイ(決勝トーナメント)進出のボーダーラインは5勝でギリギリ、6勝すればほぼ確定。7勝なら安泰といったところだろう。

 できれば、地力があって好調なイギリス、アメリカ、スイスとの対戦前、2月14日の中国(10時05分~)、韓国(21時05分~)との連戦で星を重ねたい。

 5勝1敗で残り3戦という理想的な状況となれば、余裕をもって強豪との試合に挑め、プレーオフまで見据えた戦い方もできるはずだ。

 アイスの変化とその察知がカギとなる、勝負の中国、韓国戦に注目したい。

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