2022.01.28

高梨沙羅「まだ金メダルの器ではなかった」と言いながらも平昌五輪で得た自信。見据えた未来は「北京で金」

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

<冬季五輪名シーン>第8回
2018年平昌五輪スキージャンプ・高梨沙羅

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いよいよ2月4日からスタートする北京五輪。開幕を前に、過去の冬季五輪で躍動した日本代表の姿を振り返ろう。あの名シーンをもう一度、プレイバック!

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2018年平昌五輪で銅メダルを獲得した高梨沙羅2018年平昌五輪で銅メダルを獲得した高梨沙羅 この記事に関連する写真を見る

【「やるしかない」と自分に暗示】

 2018年2月12日の平昌五輪スキージャンプ女子。深夜に試合が終わると、銅メダルを獲得した高梨沙羅は「悔しさ半分です」と言いながらも、安堵したような笑顔を見せた。

「目標にしていた金メダルには届かなかったけれど、飛び終わってホッとしたというのはありました。何より、ここにきて一番いいジャンプが最後に出たので。最後は自分を信じて飛べたのがよかったと思います」

 韓国・江陵入りした高梨の初練習をみて、飛び出しの形が以前より固まってきているように感じられた。徐々に上げてきた調子が本番までに万全になりそうだ、と。だが、その時の高梨は「まだ自分を信じられている状態ではなく、いろいろと試しながら練習していた」と言った。それでも試合の最後では自分に暗示をかけるようにして、今まで取り組んできたことを思い返して「やるしかない」との気持ちになれたという。

 高梨が自分に自信を持つきっかけになったのが、競技前日に行なわれた3回目の公式練習だった。気温は−10度を下回り強い風も吹く条件だったが、1本目は最長タイの103.5mを飛び、ゲートファクターとウインドファクターを入れたポイントでは1位になった。2本目も得点は4位ながら105.5mを飛んだ。

「(公式練習の)1本目と2本目と自分のなかで確認もできたし、このジャンプで臨むんだという強い気持ちを持って3本目を飛ばないことにした。それが(自信に)つながったと思います」