パリ五輪、金メダルの可能性は高し。団体銀でも新生ニッポン男子体操に光を見た (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

「橋本選手は、『ここまでできれば、もしかして逆転できるかもしれない』と思う15点台の得点出してくれました。最後の最後にそれをできるのは、本当の強さを持っている選手だと思います。最後を彼に託して本当によかったなと思いましたし、近いうちに世界チャンピオンになる可能性はかなり高いと思える演技でした」

 18年世界選手権から代表入りしている谷川航は「18年までは代表に入っていた航平さんに頼っていましたが、ケガの影響で代表入りしなかった19年は、僕たちが頑張らなければいけないと思いながらも引っ張り切れなかった。でも今のチームは、少しずつ僕や萱が経験をしている分、雰囲気作りができるようになったと思う」と話す。

 またチーム最年少の18歳で出場した北園は3年後のパリ五輪を見据えている。

「この東京を経験して0.1点の重要さを知ることができたので、次のパリ五輪では絶対に団体で金を獲れると強く思いました。次は僕がチームを引っ張っていくつもりなので、これから頑張りたい」

 初出場だった08年北京五輪の個人総合2位以来、長い間内村が牽引してきた日本男子体操。東京五輪で団体は僅差の2位であったが、新生・男子体操ニッポンの船出を告げる結果でもあった。

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