2020.01.07

桃田賢斗は東京五輪で金に最も近い。
衝撃的な勝率は攻撃強化から生まれた

  • 平野貴也●文 text by Hirano Takaya
  • photo by Kyodo News

東京オリンピックで輝け!
最注目のヒーロー&ヒロイン
バドミントン 桃田賢斗 編

 4年間の想いをエネルギーに、東京五輪の金メダルロードを駆け抜ける。

 バドミントン男子シングルスの桃田賢斗(NTT東日本)は、東京五輪で日本勢で金メダル獲得を実現する可能性が最も高い選手と言える。2018年、19年の世界選手権を連覇。18年9月末から世界ランク1位をキープしており、19年はBWF(世界バドミントン連盟)の年間最優秀選手に選出された。

昨年12月のツアーファイナルズでも優勝した桃田賢斗 なにしろ、他種目のトップ選手が主要な国際大会で挙げられる勝利が6~8勝というところ、桃田は世界選手権を含めて11個のタイトルを獲得。1年間の国際大会の戦績が67勝6敗で、91.8%の勝率をマークしたのだから、当然だ。

 バドミントン界では、桃田が憧れるレジェンドプレーヤーのひとりで、過去五輪3大会で銀メダルを獲得したリー・チョンウェイ(マレーシア、19年夏に引退)が、2010年に10勝を達成している。だが、これを超える今回の桃田の活躍は、バドミントン界における新たなレジェンドの誕生を意味する衝撃的な内容で、本人も「記録的に彼を抜いたことは、本当にうれしい」と素直に喜んだ。

 東京五輪の金メダル候補となるまでの道のりには、あの失態がある。前回のリオデジャネイロ五輪を間近に控えた2016年4月に、国内で違法賭博店を利用していたことが発覚。無期限の出場停止処分を受け、世界ランク2位で金メダル候補であったにもかかわらず、リオ五輪出場は白紙となった。

 約1年後に処分が明けて戦列復帰したものの、当初は国内の大会でも勝てないほどに試合勘と自信を失っていた。17年末の全日本総合選手権では、準々決勝で敗退。タイトルに届かなかった。しかし、18年に日本代表に復帰すると、同年4月のアジア選手権で世界の強豪をことごとく破って優勝した。

 この時「復活というよりは、進化できるように頑張りたい」と話したが、その言葉のとおり、失態から約3年半を経た現在の桃田は、世界ランク1位に到達してもなお、進化を続けている。