激戦のカーリング界。2022年北京五輪の選考レースが早くもスタート (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●文 text by Takeda Soichiro
  • photo by Naoki Morita/AFLO SPORT

 WCTランキング枠については、文字どおり、WCTランキングによって得られる出場枠であり、なおかつ地区予選が免除される。

 WCTランキングとは、現在開催中の『どうぎんカーリングクラシック』や、これから行なわれる『ADVICS CUP』のような、ワールドツアー認定タイトルに出場し、その結果によって得られたポイントで決まる。獲得ポイントは大会の規模や対戦相手によって違いはあるが、とにかくワールドツアーで好成績を残したチームほど多くのポイントを得られ、ランキングの上位に名を連ねることができる。なお、同ランキングについては、シーズンが開幕すると1週ごとに更新される。

 ちなみに、2018-19シーズンのWCTランキングにおいて、国内最上位チームだったのは、ロコ・ソラーレ(9位)。以下、北海道銀行フォルティウス(15位)、中部電力(19位)、富士急(46位)だった。

 そして、肝心のWCTランキング枠についてだが、JCAは以下のように定めている。

「10月末時点でのWCTランキングよって決定する。前年度の優勝、準優勝チームを除いて、WCTランキング50位以内で最上位にランクされるチームとする。該当チームがない場合は、ワイルドカード枠を2とする」

 こうした条件を踏まえて、今季のWCTランキング枠について見てみると、前年度の日本選手権を制した中部電力、2位のロコ・ソラーレが除かれるので、実質的には北海道銀行と富士急の一騎打ちとなる。両チームにとっては、これから10月末までのワールドツアーは非常に重要なものとなり、そこでできる限りの結果を残して、少しでもランキングを上げていきたい。

 逆に、もしWCTランキング枠を逃してしまうと、秋から冬にかけて行なわれる地区予選に出場しなければならない。地力に勝る北海道銀行や富士急でも、何が起きてもおかしくない一発勝負は、できることなら避けたいだろう。

 また、その状況下では、内容よりも結果が重視され、チーム強化との両立は難しくなる。そのうえ、日本選手権に向けてのピーキングという新たな課題も生まれる。

 そういう意味でも、北海道銀行、富士急の2チームにとって、WCTランキング枠を獲得できるかどうかは、シーズンの中でも分水嶺となりそうだ。両チームは、シーズン開幕とともに勝負を仕掛け、冒頭の2大会をはじめ、シーズン序盤から好成績を狙っていくことになるだろう。

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