ツール前半戦、まさかの展開。34年ぶりのフランス人総合優勝なるか (3ページ目)

  • 山口和幸●取材・文 text by Yamaguchi Kazuyuki
  • photo by A.S.O.

 大会前半を終えて、マイヨ・ジョーヌはまさかのアラフィリップ。開幕時は「総合優勝なんて勘弁してくれ」というコメントだったが、今はちょっとニュアンスが変わってきた。

「マイヨ・ジョーヌを着用してツール・ド・フランスを走るのは特別だ。スタートからゴールまで、僕の名前を呼ぶ大歓声が耳に届く。この栄冠のジャージを守るために、全力で戦っていきたい。

 チームは僕の走りをアシストする仕事をこなし、厳しい戦いではあるけど、リズムよく連日のレースを終わらせることができている。すばらしい日々を満喫しているよ」

 アラフィリップに対抗するチーム・イネオス勢は、1分12秒遅れの2位にトーマス、同16秒遅れの3位にベルナル。ツートップが揃って上位を確保しているので、多様な作戦が取れるのが強みだ。

 後半戦ではピレネー、そしてアルプスの山岳ステージが待ち構える。果たして、アラフィリップは地元フランスの期待に応えることができるのか。そして、首位を狙うチーム・イネオスのふたりはどんな役割分担を演じるのか。第106回ツール・ド・フランスは、後半戦も目が離せない。

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