畠山愛理は基本ネガティブ。それでも「性格を変えようとは思わない」

  • sportiva●文 text by sportiva
  • 佐野隆●写真 photo by Sano Takashi

★畠山愛理インタビュー 前編

 女子新体操の日本代表、通称フェアリージャパンの一員として、ロンドン五輪(2012年)、リオデジャネイロ五輪(2016年)に出場した畠山愛理さん。大会前から「決めていた」と言うリオ五輪で現役を引退。今では、自身の経験を生かして『サンデースポーツ2020』(NHK総合)などでスポーツの魅力を伝えつつ、『バカリズムの30分ワンカット紀行』(BSテレ東)などバラエティー番組にも出演し、キュートな一面を見せている。また、170cmとスタイル抜群の容姿でモデルとしても活躍中だ。そんな畠山さんだが、現役を引退してすぐは、「自分が何をしたくて、何ができるのかで悩んだ」と言う。現役引退してからの経緯や、"今"の畠山さんについて話を聞いた。

今は、いろんなことに挑戦していきたいと語った畠山愛理さん今は、いろんなことに挑戦していきたいと語った畠山愛理さん

―― リオ五輪で引退されてから、もうすぐ3年。振り返ってみていかがですか。

畠山 新体操づけだった毎日から、引退してガラッと環境が変わりました。体も慣れないし、起きたら練習...というふうに思ってしまうことは、最初は何回かありました。でも、いろいろ経験させていただいて、新しい世界を見れたり、同い年の子たちがやったことがあるようなことを私はできていなかったので、そういったことも少しずつみんなと同じくらいやれるようになってきたのかなと。リオで引退することは(大会前から)決めてたんです。でも、その先に何をするかということを考える余裕がなくて。引退した時は「今後どうしたらいいんだろう」という感じでした。でも、引退した今の自分が経験したことないものばかりだからこそ、まずはいろいろ挑戦していく中で、やりたいことを見つけていければいいかなと。だから、いろいろやらせていただける今の環境に感謝していて、挑戦ということを大事にこの3年間はやってこれたかなと思っています。

―― ちなみに、「職業はなんですか」って聞かれたら、どう答えますか。

畠山 「タレント」とは言いたくないんです。今、軸は(『サンデースポーツ2020』で)キャスターをやらせていただいているんですけど、一番自分の良さが出ていきいきしているのは、例えば、昨年の『紅白歌合戦』で演技をさせていただいた時もそうですし、やっぱり表現することが好きなんです。モデルのお仕事もさせていただいているんですが、それも同じなんですよね。服装、メイク、髪型といろんな女性になってポーズを取ったり、表情を作ったりするのが楽しいので。そうなると、確かに何なんですかね(笑)。

―― 指導者の道は考えなかったんですか。

畠山 最初は全然(考えなかった)です。

―― 理由を教えてください。

畠山 一度いろんな世界を見てみたかったというのがまずありますね。それに、自分は指導者には向いている感じがしなくて。キャスターのお仕事をしていてもそうなんですけど、どちらかというと(自分が)やりたくなっちゃうんですよね。でも、勝負まではしたくない(笑)。それに、あんまり強く言えないタイプなんですよ。怒ることが苦手なんです。小さい子には褒めることが大事ですけど、やっぱりいけないことはいけないと言わなきゃいけないし。ときには愛のムチもなきゃダメですよね。

―― それで自分には向いていないと。

畠山 そう思います。でも、テレビ番組で1回、指導をやらせていただいたことがあって、その時は指導の面白さを感じました。

―― どういう番組だったんですか。

畠山 ひとりの女の子が、大会で入賞できることを目指して指導する番組だったんです。けど、なかなかすんなりといかなくて。でも、(その子は)心の中ではすごく新体操が好きで。番組で、でしたが、一度指導者を経験したことで、できなかったことができるようになる生徒の成長に、先生たちも喜びを感じてくれていたんだなという新たな発見があって、指導もいいなと思いました。

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