「無双」のカーリング藤澤五月。ミックスダブルスも世界を驚かせる! (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・文 text&photo by Takeda Soichiro

 大会が進むにつれて、「サッチャン(藤澤)は、細かいズレを感覚的な部分で修正してしまう天才肌なので、しっかり話をして理解するようにした」という山口の努力が実る。カマー(※ガードの後ろに回り込むショット)をはじめ、フリーズ(※ハウス内のストーンにぴたりとつけるショット)、レイズ(※他のストーンに当てて石を動かすショット)など、ミックスダブルスに必須なデリケートなショットを、藤澤が適切なウエイトで投げ、山口が必死のスイープで運んで、次々とキーショットが決まっていった。

 オリンピアンペア同士の対戦となった準決勝、『吉田・清水』(LS北見・吉田知那美/SC軽井沢・清水徹郎)戦の頃には、トリプルなどのテイク(※相手ストーンを弾き出す)系のショットも当たりが続出し、対戦相手の吉田が「(藤澤は)無双だった」と白旗を上げるほど、完璧に仕上がっていた。

 強化委員会追加推薦ペア、『チーム平田』(中部電力・北澤育恵/SC軽井沢・平田洸介)との決勝戦でも、藤澤は第1エンドで見せた距離の長いレイズをはじめ、緻密なウエイトのラストロックなど、難易度の高いショットを次々に決めてメダリストの技術を見せつける。そして、相手に付け入る隙を与えず、9-2と快勝した。

「スキップとしてのショット、特にドロー(※ハウス内に石を止めるショット)が本当にうまい」と、ペアを組む山口も脱帽するショットを連発した藤澤。五輪で成長した世界屈指のスキップの活躍で、凱旋試合を大いに盛り上げた。

 今大会の結果を受けて、藤澤&山口ペアは4月21日からスウェーデン・エステルスンドで開幕するミックスダブルス世界選手権に日本代表として派遣される。

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