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日本女子パシュート、「オランダ超人軍団」も
一蹴する世界最髙の滑り (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

 続く髙木菜那(日本電産サンキョー)が最初の半周を14秒50で引っ張ったものの、タイム差は一進一退でオランダを追いかける状況は変わらなかった。

 そんななか、最後の2周で美帆が先頭に出ると、独壇場の滑りを見せる。

「姉と佐藤が、いいリズムでいってくれたので、脚を休めることができた」という美帆は最初の半周で0秒45あった差を0秒05差まで詰めると、次の半周では逆転。相手が半周15秒前後のラップに落ちたのに対し、日本は安定した滑りで、その差を1秒59にまで開いて完勝した。

 美帆が決勝レースをこう振り返える。

「予選の後、どう修正するかということも話しましたが、改めてということは特にありませんでした。(決勝で)佐藤がバランスを崩したことをすごく悔しがっていたけれど、彼女もあれだけのラップで1周半引っ張ったので脚に来ていたと思う。つまずいても転ばないで最後まで食らいついてきてくれたというのも彼女の強みだと思うし、一丸となって滑りきることができたと思います」

 また、菜那はオランダに勝利できた要因をこう話した。

「先頭に出た途端、脚にきて動かなくなったので、そこは自分的には70点でした。個々のレベルでは届かないオランダのメンバーでしたが、3年間チームパシュートにかけてきた思いや、練習量は自分たちの方が勝っているのはわかっていました。自分たちを信じて『自分たちの最高の滑りをするしかない』ということに集中していたのがよかったと思います」

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