世界が驚くカーリング女子。チームを作った本橋麻里「8年前の想い」 (4ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・文 text by Takeda Soichiro
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

――続いて、新チームについてのお話を聞かせてください。本橋さんが望んでいるようなチームが作れそうですか?

「すでに何度かミーティングを繰り返しているのですが、その度にみんな、『チームってこうだよね』という、具体的なイメージや体験を話してくれるんです。私がチーム青森に加入したときは、すでにチームは存在し、出来上がっていたところに呼ばれたので、そういった"チーム作り"の蓄積が自分の中にはほとんどない。だから、みんなから学べるところがたくさんあります。私から何か伝えることよりも、みんなから学ぶことのほうがかなり大きいです。それが将来的に、ブレない土台からのチーム作りにつながると信じています」

――頼もしいメンバーですね。

「はい。最初に会ったとき『何でも言い合っていこうね』という話をしたら、いちばん年下の吉田(夕梨花)さんがすぐに『麻里ちゃん、私、何でも言うからね』と宣言してくれたのもうれしかったですね。『ああ、昔の私みたいだ』と懐かしい気持ちにもなりました」

――本橋さんもチーム青森の先輩である小野寺(歩)さんや林(弓枝)さんに、遠慮することなく、自分の意見を言っていたんですか?

「すごかったですよ。『私はこう思います! なんでダメなんですか?』って。生意気ちゃんですね(笑)。でも、それと同じようなことを言われてわかったんですけど、そうやって本音を言ったり、聞いたりすると、すごくスッキリするんです。そこから何かポジティブなことも生まれます。

 年齢とかキャリアとかは関係なく、極端なことを言えば、選手じゃない人からでも学べる。そのことに改めて気付いた今、一瞬一瞬がとても面白いです。今後はより自分から他の選手に興味を持つのはもちろん、お互いにどんどん突っ込んでモノを言えるようにしたい。そういうチームを作っていきたいですね。

 また、個人的にはカーリングが好き、楽しいという気持ちを高めていく時間だな、と考えています。やっぱり勝つことを求められたチームでは、楽しむ余裕までは持てなかったので」

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