スマイルジャパン、初戦惜敗も怒涛のチャージで韓国人ファンを魅了 (3ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao photo by JMPA

 浮田の得点は、ゴール前の混戦からだったが、床秦留可の粘り強い仕掛けが起点となり、久保英恵(35歳、SEIBUプリンセスラビッツ)がつないだところから生まれた。

 同点とした直後にも、久保のパスから細山田茜(25歳、道路建設ペリグリン)が惜しいチャンスを迎えるなど、日本の怒涛の攻撃は会場の観衆を釘づけにした。第三者的な立場でどちらかといえばスウェーデンを応援していた韓国人さえも、途中で日本のサポートに鞍替えさせるほどだった。

 スウェーデンに勝ち越しを許しても、日本が攻める形は変わらなかった。課題は選手たちが普段から口々にする「チャンスでいかに決め切れるか」だ。

 2点目を失ったあとも、巧みに相手のペナルティを誘って3度もパワープレー(相手が反則を犯し、数的優位の状況になる)の時間帯を作ったところまでは狙い通りだった。しかし、最後の48秒は、パワープレーのなか、GKの藤本も下げてフィールドプレーヤーが2人多い状況で同点弾を狙いにいったが、最後まで2点目は遠かった。

 唯一の得点を決めた浮田は、「4年前はまったく手が出なかったが、今回は相手にならなかったわけではない」と、前を向いた。

 日本は自らの不用意なペナルティを減らし、プラン通りロースコアの展開に持ち込むことができた。ただ、ゴールだけが足りない一戦だった。

 同日、日本と同じグループBのもう1試合が行なわれ、世界ランキング6位のスイスが韓国と北朝鮮の合同チーム、コレアに8-0と大勝した。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る